高度経済成長期以降に敷設された我が国の配管インフラの多くは,耐用年数が50年とされており,老朽化が顕在化し始めている.しかし,その多くが地下や高所,建物の内部に敷設されているため,外部からその劣化状況を確認することが困難となる.
そこで立命館大学では,10年以上に亘り数多くの自走式小口径管内検査ロボットの研究を実施してきた.その結果,人が入り込めないような配管内部に侵入し,カメラなどで劣化状況を確認することが可能となった.これらの基礎研究から生まれた成果は,プラント点検やガス管点検を目的に複数社の民間企業へも技術移転されており,高い評価を得ている.特に,内径75mmから100mm程度の曲がりや垂直,T字分岐を含む数十mの配管を縦横無尽に素早く走行可能であることが他に例を見ない技術となっている.